2026年10月17日のキングオブコント2026で、ジェラードンが第19代王者になりました。

放送の最後、かみちぃはカメラに向かってこう呼びかけています(日刊スポーツの記事より)。

「元相方の海野も見ているんじゃないか、これ?別におまえがいても優勝できたけどな」

見ていた人によって聞き取った言い回しは少しずつ違いますが、この一言はその夜のうちに大きく広がりました。

そういえば海野って、なんでいなくなったんだっけ。

体調不良だったような気はするけれど、はっきりとは覚えていない、という人も多いはずです。

トリオだったジェラードンから海野裕二が抜けたのは、2025年2月のことでした。


海野裕二が脱退した理由

海野裕二がジェラードンを離れた理由は、体調です。

2025年2月7日、吉本興業は海野裕二とのマネジメント契約を2月9日付で終えると発表しました。

このときから、ジェラードンはアタック西本とかみちぃのコンビになっています。

コンビ名は変えず、ジェラードンのままです。

吉本の発表には、脱退に至るまでの経緯も短く書かれています。

 

本人から申し出た契約終了

吉本興業が出した文面は、こうでした。

「海野は以前から体調を崩しており、休養と復帰を繰り返していましたが、この度、メンバーとも話し合った結果、体調の改善を最優先にしたいと、契約終了の申し出がありました」

辞めたいと申し出たのは海野本人で、3人で話し合って出した結論だったわけです。

3人で話して決めた別れだったからこそ、優勝の夜にかみちぃが海野の名前を出したとき、ほっとした人がいました。

呼びかけられた海野がこの放送を見ていたことは、その夜のうちに本人の投稿から分かります。

 

病名は発表されていない

「体調不良って、何の病気だったの?」と気になるところですよね。

病名についてはネットでいろいろな話が出回っていますが、吉本の発表にも、本人やメンバーの言葉にも、病名は出てきません。

大手の報道で病名にふれているのは東スポくらいで、2020年に脂肪腫(脂肪のかたまりのようなできもの)で入院し、2021年12月からの休養もあごにできた脂肪腫での入院だった、と伝えています。

ただ、2025年の契約終了がその病気のためだったのかどうかは、どこにも書かれていません。

理由として出ているのは、「体調の改善を最優先にしたい」という本人の申し出までです。

そこから先の事情は、本人もメンバーも口にしていないまま。


休んでは戻った3年あまり

「体調不良で抜けた」と聞くと、ある日いきなりいなくなったように感じるかもしれません。

でも実際の海野裕二は、休んでは戻り、戻っては休む、ということを繰り返していました。

脱退を報告したとき、アタック西本は「この3年で計3回戻って来ましたが最後は脱退となりました」と書いています。

年表にすると、こんな流れです。

  • 2008年10月 吉本の養成所・NSC東京校12期の同期3人で結成
  • 2020年 海野が脂肪腫で1週間ほど入院(東スポの報道)
  • 2021年 トリオでキングオブコント決勝へ。5位
  • 2021年12月 海野が体調不良で休養(吉本の発表)
  • 2022年7月 トークライブで復帰を報告し、3日後に再び休養
  • 2025年1月 大宮のライブで約3年ぶりに復帰
  • 2025年2月 吉本との契約が終わり、2人体制に
  • 2026年10月 2人でキングオブコント2026に優勝

報道で確かめられる復帰は2022年7月と2025年1月の2回で、西本の言う「3回」のもう1回がどれを指すのかは、報道からは分かりません。

トリオでキングオブコントの決勝に出たのが2021年で、休養が始まったのは同じ年の12月です。

決勝の舞台に3人で立ったその年の暮れに、海野は舞台を離れています。

 

3日で終わった最初の復帰

最初の復帰は2022年7月11日、ジェラードンのトークライブでした。

ところが14日の夜、海野は自分のTwitterで再び休むことを伝えています。

「体調が本調子ではなく、ベストなパフォーマンスが出来ないと判断しました。大変申し訳ありませんが、完全に体調が回復するまでしっかり休養することにしました」という言葉でした。

このときアタック西本は「二転三転してすみません」と書き、かみちぃは「完全回復を待ちたいと思います!」と続けています。

 

1か月で終わった2度目の復帰

2025年1月6日、大宮ラクーンよしもと劇場のライブに海野がサプライズで登場し、最初の休養から数えて約3年ぶりの復帰が発表されました。

トリオのジェラードンがまた見られる、という空気になったのも、ほんの束の間。

契約終了が発表されたのは、そのわずか1か月後の2月7日です。

その日、あるファンはこう書いています。

3人のジェラードンが舞台にそろったのは、結局この2025年1月が最後になりました。


友達に戻ると書いたかみちぃ

脱退が発表された2025年2月7日、かみちぃとアタック西本はそれぞれXで報告を出しています。

2人の文章にはっきり書かれていたのは、海野への感謝。

海野について書かれていたのは、こんな言葉でした。

  • 復帰して短い間でしたが3人でのコントは本当に楽しかったです(かみちぃ)
  • 海野とは普通の友達に戻ります(かみちぃ)
  • 海野は最高のノンワード東京ストレートシンプルツッコミでした!ありがとう!(かみちぃ)
  • こっから海野とは、また地元の同級生として付き合っていきます(アタック西本)

どちらも、海野との関係を「友達」「同級生」という言葉で言い直しています。

 

海野は3人の中のツッコミ

かみちぃが「最高の〜ツッコミ」と書いたとおり、海野裕二はジェラードンのツッコミ担当でした。

「ノンワード東京ストレートシンプル」という聞き慣れない言葉には説明が添えられていませんが、とにかく最高のツッコミだったと伝えたかったことだけは、まっすぐ伝わってきます。

2017年のタウンワークマガジンのインタビューでも、海野は「ツッコミ担当(暫定リーダー)」と紹介されていました。

アタック西本とかみちぃはどちらもボケなので、つまりトリオの中で、ツッコミは海野ただ1人。

 

地元の同級生に戻る

海野裕二とアタック西本は、どちらも名古屋の出身。

同じインタビューで海野は、芸人の道に入ったきっかけを「西本に高校の時に誘われて入った」と話していました。

お笑いの世界に誘った人と、誘われた人。

トリオを組むずっと前から、2人は高校のころからの付き合いだったんです。

西本の「地元の同級生として付き合っていきます」は、その関係に戻るという報告でした。


2人で舞台に立った5年

海野が休養に入った2021年12月から、ジェラードンは西本とかみちぃの2人で舞台に立つことが増えていきます。

しかも残ったのはボケ2人で、ツッコミのいない形でコントを作らなければいけません。

優勝会見でかみちぃは「正直2人になったときはまったく先が見えなかった」と振り返り、「2人になってからの5年は芸歴よりも長く感じました」と話しています。

結成からの芸歴は18年で、それよりも長く感じたというのが、海野が休みはじめた2021年12月からの5年です。

 

去年は準決勝を辞退

去年、2025年のキングオブコントは、アタック西本の肉離れで準決勝を辞退しています。

それでも、そこから1年で、2人はもう一度決勝の舞台へ戻ってきました。

1本目の「酔っ払い」、2本目の「マジックバー」がどちらも671点で、合計1342点での優勝。

 

3人のコントを2人で

2本目の「マジックバー」は、もともと3人だったころにYouTubeで出していたコントなのだそうです。

アタック西本が「2人でもできるんじゃないか」と言い出し、台本なしでやってみたら反応がよかった、とかみちぃは会見で明かしています。

そのうえで、ボケとツッコミの役が決まっていないネタだとして「ボケもツッコミもないので僕らも不思議です」と笑っていました。

かみちぃは自分のXに、こう書いています。


「おまえがいても優勝できた」

「別におまえがいても優勝できたけどな」。

聞いた瞬間は、元相方へのちょっとした憎まれ口のようにも思えます。

けれど、2人で勝った夜にかみちぃが選んだのは「いなくても」ではなく「いても」という言葉でした。

コンビで優勝すると、どうしても「3人のときより2人のほうがよかった」と読まれてしまうおそれがあるんですよね。

 

会見で話した「いても」の意味

その心配に気づいていた人は、同じ夜にこう書いていました。

実は、この読みと同じことを、かみちぃは会見で自分の口から話しています。

「トリオのほうが俺らのよさは出てるんじゃないかなとは思ってます」と話し、続けてこう言いました。

「だから『俺が抜けたから優勝できた』とは思わないでほしいです」

この「俺」は海野のこと。

海野が「自分が抜けたから2人が優勝できた」と受け取らないでほしい、とかみちぃは話しているわけです。

優勝直後にも「トリオでもコンビでも面白いんだぞ!っていうところを見せられてよかったです」と話していました。

会見の言葉と並べると、あの「いても」は、海野に負い目を持たせないための一言に聞こえてきます。

 

「たぶん戻ろうとしてます」

会見では、アタック西本が海野の近況にも触れていました。

名古屋に帰ったときは同級生として一緒にご飯へ行くそうで、普通の会話をしたいのに、海野はずっと「うっせーな!」「なんでだよ!」とツッコんでくるのだとか。

西本はそれを「あいつ、たぶん戻ろうとしてます(笑)」と笑い、「3人に戻るのか」と聞かれると「そんな簡単なもんではない!僕らがどんだけがんばったか!」と返していました。


海野の「混ぜてくれよ」

脱退したあと、海野裕二が今どんな仕事をしているのかは、報道では伝えられていません。

芸人を続けているのか、別の道に進んだのかも、外からは分からないままです。

それでも、優勝の夜に海野が何を思ったかだけは、本人の言葉で残っています。

優勝の直後、海野は自分のインスタグラムに祝福の言葉を投稿していました。

 

「知らねぇネタじゃねーか」

スポーツ報知などが伝えた投稿は、「何だよこの2人!すごすぎるだろ!おもろすぎるだろ!」で始まっています。

続けて「2本とも知らねぇネタじゃねーか!教えてくれよ!混ぜてくれよ!」。

ただ、2本目は3人のころのコントが元になっています。

海野も知っていたはずのネタを2人が台本なしで作り直したので、「知らねぇ」は冗談まじりのツッコミなのかもしれません。

さらに「かみちぃツッコミ上手いな!」「にしもとの髪型どうなってんだよ!」と続き、最後は「本当すごいわ!おめでとう!」で結ばれていました。

 

元ツッコミ担当からの祝福

ボケもツッコミもないと本人たちが話していたコントに、その夜、トリオのツッコミだった海野の言葉が届いたわけです。

このインスタの投稿を読んで、こう書いた人もいます。

かみちぃはテレビの中から海野に呼びかけ、海野はインスタグラムから2人にツッコんでいました。

体調で舞台を降りた海野ですが、2人の晴れ舞台には、やっぱりツッコまずにはいられなかったんですね。