いつものようにアプリを開いたら、本棚の漫画が読めない。

2026年10月15日、電子書籍ストアのコミックシーモアが、外部から不正なアクセスを受けた可能性が高いとしてサービスを止めました。

何百冊、何千冊と買ってきた人ほど、あの本棚はどうなるのと血の気が引いたはずです。

しかも、カードの番号よりも、本棚に並んだ作品のタイトルが漏れるほうが怖いという声まで上がっています。

 

そして16日の夕方、シーモアは会員のメールアドレスなどが外へ漏れていたと発表しました。

21日には、漏れた件数が最大でおよそ420万件にのぼると明かしています。

買った漫画は消えてしまうのか、本棚の中身は誰かに見られていないのか、シーモアの発表で分かっていることと、再開を待つあいだに自分で気をつけられることも、ちゃんとあるんですよ。

シーモアが止まってから流出が分かるまで

コミックシーモアは、NTT西日本グループのNTTソルマーレ(大阪)が運営している、漫画を中心にした電子書籍のお店です。

15日の昼にサービスが止まり、そのとき公式Xが最初に出したお知らせが、こちら。

  • 10月15日11時30分から緊急メンテナンス
  • 終わる時間は未定
  • 使えないもの=コミックシーモア、読み放題、レビュー、シーモア島(読者どうしで質問し合える場)の全機能
  • 使えるもの=本棚アプリにダウンロード済みの作品だけ

その日の20時ごろになって公式Xが理由を出し、サーバーに外部から不正なアクセスが行われた可能性が高いと判断して、原因を調べるためにサービスを止めたと発表しました。

影響の範囲と原因は調べている途中で、新しく分かったことがあればお知らせします、とも書き添えられています。

 

じつは昼のうちにサイトを開くと、「アクセス増加による負荷高騰のため、サービスをしばらく停止し復旧対応を行います」という画面が出ていました。

夜の発表の少し前には、この「アクセス増加による負荷高騰のため」の部分だけが消えています。

アクセスが集まっただけなら、少し待てばまた読めるようになるはずでした。

 

ところが16日の17時ごろ、公式Xは会員情報を管理するシステムに不正アクセスがあり、中の情報が外へ漏れていたと発表します。

16日の発表で漏れたと分かったのは、登録のときに入れた次の5つです。

  • メールアドレス
  • ハッシュ化されたパスワード(特殊な文字列に変えてあって、そのままでは読めないもの)
  • 生年月日
  • 性別
  • ニックネーム

その後、18日に3回目の発表(第3報)、21日に4回目の発表(第4報)が出て、第4報では漏れた中身が2つに分けて示されました。

1つは会員の登録情報そのもので、パスワードまで含めて319件。

もう1つは、サイトの動きを自動で書き残しておく記録(ログファイル)で、18日に一部が持ち出されていたと分かったもの。

こちらにはメールアドレス・ニックネーム・生年月日・性別のどれかが最大でおよそ420万件残っていて、パスワードは入っていないそうです。

同じ人の情報が何度も記録されている可能性もあるので、420万人分が漏れたという意味ではありません。

買った漫画は消えてしまう?

16日・18日・21日の発表で、シーモアはこの不安にこう答えています。

MY本棚の消失や欠損は、いまのところ確認されていないそうです。

いま読めるのは、本棚アプリにダウンロードしてあった作品だけ。

そのダウンロード済みの作品は、スマホの中のアプリに保存されています。

調子が悪いからとアプリを消して入れ直すと、手元に残っていた作品まで消えて、復旧するまで1冊も読めなくなるので、いまはアプリをそのまま置いておきましょう。

電子書籍で買っているのは「読む権利」

「やっぱり紙の本がいい」という声も出ていますが、そう言いたくなるのも無理はありません。

シーモアで漫画を買っていた女優の木﨑ゆりあさん(ドラマ「VIVANT」に出演)も、2026年10月20日、止まったままの本棚について「500冊くらいあった」漫画は「水に溶けたの?」と嘆いていました。

電子書籍で買っているのは、本そのものというより、そのお店の中で読める権利なので、お店が閉じたときに買った本がどうなるかは、お店しだいなんです。

2019年にYahoo!ブックストアが閉じたときは、買った本がebookjapanへ引き継がれて、そのままebookjapanで読めるようになりました。

 

一方、2024年に講談社のじぶん書店が閉じたときは、買った本は読めなくなり、QUOカードで返金されています。

しかもその返金は、途中で退会した人は受けられない決まりでした。

シーモアは止めて調べている段階で、お店を閉じるという話は出ていませんが、慌てて退会しないほうが安心ですね。

クレカより怖いのは本棚の中身

今回は、カードのことより、本棚の中身を見られるほうが心配だという人が多くいます。

カードなら止めて番号を替えられますが、本棚に並んでいるのは、誰にも話していない自分の好みそのものです。

BLや大人向けの作品を人目を気にせず買えるのが電子書籍のよさだったからこそ、どんな作品を買ってきたかは、一度誰かに知られたら取り消せません。

名前やメールアドレスとつながった購入履歴は、見ればどの人が何を買ったのかが分かるので、法律の上でも個人情報として守られるものです。

 

それでも購入履歴やMY本棚の流出は「現時点確認されておりません」という説明は、16日から、件数が420万件まで膨らんだ21日の第4報まで変わっていません。

クレジットカードの情報は、今回入られたシステムにはもともと置いていなかったので、流出していないそうで、そこはひとまずホッとできますね。

自分が漏れた中に入っているかどうかは、該当する人にシーモアからメールで知らせることになっていて、21日の夜には「メールが来た」という声が次々に上がりました。

そのぶん、まだ何も届いていない人からは「自分は大丈夫なの?」という声も上がっています。

第4報に書かれているのは「該当する人にはメールで連絡する」というところまでで、届いていなければ対象外とまでは言っていません。

しかも、調べが進むにつれて漏れた範囲があとから広がることもあるんですよね。

2026年9月にタイムズカーが不正アクセスを受けたときは、最初の発表から4日のうちに情報が漏れた人の範囲が広がり、何年も前に退会した人の免許証の画像まで漏れたと報じられています。

シーモアでも、18日の第3報で一部のシステムログファイルまで見られて持ち出されていたことが分かり、それを調べた21日には、漏れた件数がいっきに膨らみました。

「現時点」と書かれているとおり、今回の発表もまだ途中経過だと思っておいたほうがいいかもしれません。

シーモアはいつ戻ってくるのか

どれくらいで戻ってくるのかは、2024年に同じようにサイバー攻撃で止まったニコニコ動画が、ひとつの目安になります。

ニコニコ動画は、止まってから戻ってくるまでにおよそ2か月かかりました。

会社がサーバーを止めても攻撃が続いたので、外とのつながりを断って、仕組みを一から作り直すことになったからです。

ニコニコのときは止めたあとも攻撃が続きましたが、シーモアは16日の発表で、止めたあとに新しい不正アクセスは確認されていないとしています。

 

18日の第3報で原因は特定できたとされ、21日の第4報では、その入りこまれた経路をふさぐところまで終わったそうです。

それでも再開の時期は、関係機関と調整しているところで、決まりしだい知らせるとされたまま。

戻ってくるときは、買った作品をWEBで読む機能と読み放題がいちばん先で、作品の購入や支払いはそのあとに順に使えるようにしていく予定なので、まずは本棚の作品から読めるようになりそうですね。

22日の時点でも、シーモアのサイトは止まったままです。

 

16日の0時からシーモアで先行配信される予定だった新刊も、買えないまま止まっています。

ほかの電子書籍のお店でも配信されている作品なら、そちらで読めるかもしれません。

ただ、18日からは同じ電子漫画のRenta!も止まっていて、翌19日に外部からの不正アクセスの可能性があると発表しています。

21日には、大日本印刷の電子書籍サイト「honto」でも、委託先への不正アクセスで情報が漏れたおそれがあると報じられました。

新刊を待っている人は、作者や出版社のXで案内を確かめておくと安心ですね。

復旧を待つあいだに気をつけたいこと

本棚は待つしかありませんが、メールアドレスとパスワードは自分で守れるんです。

  • シーモアと同じメールアドレスとパスワードの組み合わせをほかのサイトで使っているなら、そちらのパスワードを変えておく
  • 身に覚えのないメールやSMSのURL・添付ファイルは開かない
  • 再開のときは全員がパスワードを設定し直す予定なので、その手続きはメールのリンクからではなく、公式サイトかアプリから行う

大きな不正アクセスのあとは、お詫びや補償の案内をよそおった偽のメールが届きやすくなります。

今回はメールアドレスが漏れているうえに、これからパスワードの再設定や、漏れた人へのお知らせメールが届く予定で、偽のメールはそういう連絡をそのまままねしやすいんです。

シーモアからの知らせらしきものが届いたら、公式サイトか公式Xを自分で開いて、同じ案内が出ているかを確かめてください。

止まっていたあいだの読み放題や月額の料金は、基本的には引き落とされないとされていて、期限が切れたポイントの再付与や、止まっていたことへのお詫びも検討中だそうです。

「がんばれ」の声のほうが多い

420万件という数字が出た21日のあとには、報告の細かさに感心する声も上がっています。

流出が分かったあとも、文句より先に「がんばれ」が出てくるのは、あの本棚の代わりが、ほかのお店にはないからですよね。

だからこそシーモアには、「現時点では」の一言を外して、本棚の中身は漏れていなかったと言い切れるまで調べてほしいと、つい願ってしまうのかもしれませんね。