ジャングリアをちいかわのテーマパークにする案を真剣に考えてみた
沖縄のテーマパーク「ジャングリア沖縄」の親会社が、開業してから初めての決算で173億円余りの赤字を出したと、2026年9月24日の朝に報じられました。
やんばるの森にオープンして、まだ1年あまりのテーマパークです。
このニュースに「ちいかわランドにして大逆転狙うしかないだろ」とつぶやいた人がいて、私も思わず笑ってしまいました。
「出資させてください!」と、本気なのか冗談なのか分からない声で乗っかる人も続々。
しかも、ちいかわの仲間には沖縄ゆかりのシーサーまでいるのです。
映画ちいかわ、エンドロールの劇中歌のところで見慣れない曲名があって観るたびに帰ってから調べようと思うのに忘れてて…
5回目にしてやっと判明!
シーサーが口ずさんでる歌だった…!
沖縄ローカルスーパーの曲🤣
『UNIONですから』 pic.twitter.com/lZSjJQ3hQJ— らいむ (@rymmiichans) 2026年8月14日
ただこの冗談、中身を見ていくとあながち冗談とも言い切れないんですよね。
ジャングリアの赤字173億円の中身
場所は今帰仁村と名護市にまたがる森の中で、開業は2025年7月25日。
- 総事業費はおよそ700億円
- 1日券は大人6930円(国内在住の場合)
- 開業1年の来場者は、スパも含めて約100万人
- 採算が取れる目安は、年150万人以上
173億円と聞くと、1年でそれだけの現金が消えたように感じますよね。
ただ報道によると、運営会社の赤字はおよそ89億円。
残りは、親会社が持つ運営会社の株の値打ちを帳簿の上で下げた分で、そのぶんのお金が実際に出ていったわけではありません。
いちばんの原因は、やっぱりお客さんの数。
開業から1年の来場者は1日平均でおよそ2700人で、梅雨どきには1日千人を下回る日もあったそうです。
運営会社のトップも「思うような数字に至らなかった」と話していて、出資した企業の幹部からは「期待値が高すぎた」という声まで出ています。
採算の目安にするなら1日に約4100人は欲しいところで、年間であと50万人ほど足りません。
ジャングリア大赤字じゃん。
去年行ったけど、屋根無いのキツすぎたよね〜。後単純に面白くなかった。ちいかわとコラボしろ!それしか無い🤣 https://t.co/gAYPU29geY
— りあち@100%ギャル😈🔥 (@ria_love_log) 2026年9月23日
2026年4月には大型のアトラクションを増やして待ち時間を開業当初の3分の1ほどに縮め、6月には1日券の半額以下で入れる大人2970円の「ふらっとチケット」も出しました。
手は打っているのに、まだ届かない。
シーサーでつながるちいかわと沖縄
ラーメン屋「郎」で働くちいかわのシーサーは、沖縄の守り神がモデルのキャラクターで、声をあてているのは沖縄出身の声優・島袋美由利。
そのシーサーの名前をとった「シーサーのおみやげやさん」というお店が、沖縄には本当にあるのです。
沖縄にちい活に来る皆様へ
シーサーのおみやげやさんでは
ちいかわ×オリオンビールTシャツ
(LやXLなど)が品切れ中だよ⚠️
(4/9現在)那覇空港に着いたらこの自販機で
即買いがおすすめ‼️
2階・搭乗口C付近にあるよ👍 pic.twitter.com/dlnb84BIra— ちいおき (@P2KE2XDl9p14871) 2026年4月12日
そして2026年8月12日には、その那覇空港にシーサーのおみやげやさんのお店そのものがオープンしています。
スッパイマンやオリオンビールと組んだ、沖縄らしいおみやげがずらり。
2026年7月24日に公開された「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」の舞台も、海に囲まれた島でした。
島のキャラクターの人気も高く、入場者プレゼントでは島にいるセイレーンのカードだけが当たらないと話題になったほど。
「洞窟の中をボートで進んでセイレーンに会いに行くだけで熱い」と、映画の島をそのままアトラクションにする想像をふくらませる人もいます。
足りない50万人とちいかわの動員力
東京・池袋のサンシャインシティにあるちいかわパークは、いまでも大人3500円の入場券が抽選でしか買えないほどの人気ぶり。
では、ちいかわの力で、ジャングリアに足りない年50万人は本当に埋まるのでしょうか。
映画を観た人の5%が来たら
この映画は、公開から9月20日までの59日間で観客動員1085万7000人、興行収入158億4000万円。
興行収入は、2026年に公開された映画のなかでいまのところトップです。
この1085万人のうち、5%の人が年に1回沖縄まで足を運んだら、それだけで約54万人。
足りない50万人を、少しだけ上回る数字です。
もちろん、特典のために5回、6回と観に行った人も1人ずつ数えているので、実際に観た人はもっと少なくなります。
ただ、同じ映画に何度も通う人がこれだけいるキャラクターは、なかなか見かけませんよね。
母、初めてのちい活(笑)
まさかのくら寿司行きたい!に慌てて予約。最寄りは取れなくて街中でなんとか!ビッくらポン、はずれまくり。お腹いっぱい後、えっあと1000円で2個もらえるの!?となり、頑張りました😂予想以上に母が楽しんでたので、よし!としよう。
6015円!けっこう完璧!?#ちいかわ pic.twitter.com/XM2sgIVfRj— 川原ちかよ (@chikayobaby) 2026年9月4日
大人になった娘と母親が一緒に楽しめるキャラクターなら、家族で出かけるテーマパークの看板にもぴったりのはずです。
しかも、ちいかわのファンは海の向こうにも大勢います。
2024年3月に上海で開かれた初めての公式ポップアップストアでは、行列が一時7000人ほどまで伸びて、現地の警察から並ぶこと自体を禁じられたほどでした。
ジャングリアはもともと、海外に住む人向けに別の料金の1日券を用意していたほど、海外からのお客さんを見込んでいたテーマパーク。
国内のお客さんに、海外のちいかわファンまで上乗せできるかもしれないんです。
USJのハリー・ポッター級なら
人気作品でテーマパークが立ち直った前例といえば、真っ先に思い浮かぶのが大阪のUSJ。
2010年度の入場者は約750万人まで落ち込んでいましたが、450億円をかけたハリー・ポッターのエリアが2014年7月に開くと、2014年度には1270万人まで伸びました。
ざっと1.7倍。
ジャングリアの100万人に同じ1.7倍を当てはめると約170万人で、採算の目安の150万人を計算の上では超えます。
エリアが開いた直後の2014年8月は、関西以外から来るお客さんの割合が4割から6割に増えたほどで、人気作品には遠くの人まで呼び寄せる力があるのでしょう。
ちなみに、当時USJでこのハリー・ポッターのエリアを仕掛けた森岡毅が、のちに立ち上げた会社「刀」こそ、ジャングリアを手がけた会社です。
ピューロランドは10年で倍に
サンリオピューロランドは、2008年に来場者が101万人まで落ち込み、赤字が14億円。
そこから館長になった小巻亜矢のもとで中身を少しずつ作り直し、平日の来場者を一気に4倍まで増やして、2018年には193万人と、およそ倍まで伸ばしています。
ただし、倍になるまでにかかったのは10年。
ちいかわでも越えにくい2つの壁
計算の上では大逆転も夢ではなさそうですが、「立地が壊滅的に悪い」「旅費と時間がネック」という声には、うなずくしかありません。
人気作品で立ち直るには、行きやすい場所にあることと、世界を作り直すお金が続くことが欠かせないからです。
那覇から遠い森の中
ひとつめは、場所の問題。
ジャングリアがあるのは、美ら海水族館と同じ本部半島の近くで、那覇空港から北へ車で1時間半ほど走った森の中。
ハッキリと言います。
ジャングリアの集客の課題は、
「アクセスの悪さ」があまりに大きいです。美ら海水族館ですら遠いのに更に遠いので、
「そこまでして行く?」という壁があります。 https://t.co/fbjvNjhu7H— ミル🥺 (@depression1203) 2026年9月24日
池袋のちいかわパークなら、抽選に当たれば仕事帰りにだって寄れます。
ところが沖縄となると、飛行機代にホテル代、那覇から北へ走るためのレンタカー代まで足して、家族4人ならチケットより旅費のほうがずっと高くつくんですよね。
いまでも団体のお客さんの多くは、3時間ほどでジャングリアを出て、美ら海水族館などへ移っていくそうです。
USJもピューロランドも大都市のすぐそばにあるので、ジャングリアの場合は計算どおりにはいかないかもしれません。
作り直すお金はどこから
ふたつめは、お金の問題です。
埼玉県飯能市のムーミンバレーパークは、世界中にファンがいるムーミンの世界をまるごと再現した場所。
それでも運営会社は、2020年3月期に4億3600万円の最終赤字を出しています。
ムーミンの世界を再現した場所でも、黒字にするのは簡単ではないということ。
USJのハリー・ポッターのエリアには450億円がかかっていて、キャラクターの世界にまるごと入りこめる場所をつくるには、それくらいのお金が要ります。
ジャングリアはすでに約700億円をかけ、アトラクションを増やしたのと同じ2026年4月には、20億円の追加の融資も受けたばかり。
ちいかわの世界を作り直すお金をどこから出すのかが、いちばん重い問題だと思います。
ちいかわを守りたいファンの気持ち
そして、お金と同じくらい大事なのが、ちいかわファンの気持ちです。
ちいかわランドを面白がる人ほど、こんな本音もこぼしています。
- 赤字を背負ってまで乗っかるほど、ちいかわの運営は甘くない
- 作者のナガノに「シッシッ」と追い払われそう
ジャングリアはちいかわとコラボすれば復活もあり得るだろうけど、ちいかわサイドが受けないよなぁ
— 小柳勝範@札幌のIT会社の代表 (@k_koyanagi_null) 2026年9月24日
2025年5月のマクドナルドのハッピーセットでは、おまけのちいかわがフリマアプリに高値で出回り、2026年は1人4つまでに絞る対策がとられました。
2026年の夏も、ちいかわのコラボのたびに行列や転売の話がついて回っています。
ちい活の定番だったくら寿司のコラボも、従業員の不正がわかって9月6日に途中で中止に。
好きなキャラクターが人気になるほど、どこかで雑に扱われるんじゃないかと、見ている側がハラハラしてしまう。
「ちいかわで何とかしてほしい」と笑いながら、本当は「ちいかわを便利に使わないで」とも思っている。
ちいかわたちが毎日の草むしりや討伐をこつこつ頑張る姿を見てきたからこそ、赤字の穴埋め役なんて背負わせたくないと思ってしまいます。
現実的なのは期間限定のコラボ
パークをまるごと作り替えるのは、やっぱりハードルが高そうです。
ただ、季節を区切った期間限定のコラボなら、話は別。
ちいかわは2025年4月に沖縄のオリオンビールとも手を組み、シーサーのおみやげやさんの描き下ろしデザインを使った商品を出していて、沖縄の会社と組んだ前例はすでにあります。
池袋のちいかわパークでも、島の衣装を着たちいかわたちに会える期間限定の企画が、2026年9月の下旬まで開かれていました。
シーサーが案内役になって、やんばるの森で島のちいかわたちに会えるイベントがあっても、ちっともおかしくありません。
那覇空港のシーサーのお店でおみやげを見てから、北のやんばるへ向かう、なんて旅の組み方もできそうです。
「草むしりをアトラクションにすれば維持費も浮く」「討伐の相手はハブ」なんて案まで出てきて、想像するだけで楽しくなりますよね。
ジャングリアを立て直すには
なんとかなれーッの精神で
ちいかわのテーマパークに
改装するしかないと思います。— shiro@焼肉たべさせて下さい。 (@nikutaberuru) 2026年9月23日
いまのところ、ちいかわとジャングリアが手を組むという話は、どこからも出ていないまま。
もし実現するなら、ちいかわたちが島で楽しそうにしている姿を、ファンが安心して見に行ける期間限定のお祭りであってほしいですね。