Windowsでアダルトサイトを見てはいけない理由
パソコンでこっそり動画を探していたら、いきなりピーピーと警告音が鳴り響いて、画面いっぱいに「ウイルスに感染しました」の文字。
家族に聞こえたらどうしようと、音量のボタンを必死で探した経験がある人は、けっこういるはずです。
ネットでは昔から「Windowsでアダルトサイトは見るな」と言われてきましたが、それは見ただけでパソコンが壊れるからではありません。
危ないのは、画面が「ここに電話して」「このキーを押して」と迫ってくる罠で、なかにはWindowsの人だけを狙って作られたものまで混じっているんです。
友達が小学生の時にエロサイト漁ってて突然「契約完了しました!すぐ解約しないと○○万円請求します」的な画面が出てパニックになって公文の電話番号を入力したらしくて、その日公文行ったら「バカなこと言わないでください!!!ここ公文ですよ!?!?!?」って電話対応してるのを見たらしい
— Kokkoro🐱🍼 (@galoissgun0001) 2026年9月19日
相手が公文だったから笑い話で済みましたが、同じような画面に出た番号へ、大人でも本当に電話してしまう人は少なくありません。
どの画面で指を止めればいいのか、それを知っているかどうかで、同じ警告音でも結果はまるで変わってきます。
Windowsとアダルトサイトが狙われる理由
Macなどと比べてWindowsは使っている人がいちばん多いうえに、偽の警告画面にはマイクロソフトやWindowsの名前がもっともらしく並んでいて、ふだんWindowsを使っている人ほど本物だと思い込みやすい作り。
さらに「私はロボットではありません」の確認画面をまねた偽の認証には、Windowsのキー操作をさせて初めて命令が実行される、Windows専用の悪質なものも。
再生ボタンに化けた広告

国の情報セキュリティの相談窓口であるIPA(情報処理推進機構)は、偽の警告が出るきっかけのひとつとして、アダルトサイトの動画の再生ボタン、あるいは再生ボタンに似せた広告をはっきり挙げています。
無料で見られるサイトは広告で成り立っていることが多く、どれが本物か分からないほど、再生ボタンと広告のボタンが同じ画面に入り混じった状態。
邪魔な広告を消そうとして、閉じたつもりで押した×印が、実は広告の一部だったということも珍しくありません。
初めてネットの広告邪魔なんで押したら
警告音が出た、
ピーピーこれすんごい焦るね・・・速攻電源長押し
シャットダウン。
これは詐欺に合ってしまうわ。。PCやスマホに警告画面が出ても慌てないで!『サポート詐欺』にご注意 https://t.co/bQ1jB3z0rP @YouTubeより
— フライGT (@sonnani46) 2026年9月18日
動画を見たい一心で押したボタンが、そのまま警告音の引き金になるので、焦ってしまうのも当然です。
「登録完了」の請求画面
アダルトサイトならではの罠がもうひとつあって、再生ボタンを一度押しただけで「会員登録が完了しました」と料金を求める画面が出る、いわゆるワンクリック請求。
中学生の時エッチなサイト見て見事にワンクリック詐欺引っかかって、
怖い人から電話来たからビビりまくって親に土下座してお金払ってもらおうとした話、さっきなぜか思い出してめっちゃ恥ずかしい気持ちになってた。— ➕ろぜっくぴん➕ (@rosec_pin) 2021年6月21日
画面に自分のIPアドレス(ネットにつなぐときに割り振られる番号)や機種の名前が表示されていても、それだけで名前や住所まで相手に知られることはないので、個人情報が抜かれたと慌てる必要はありません。
請求されてもお金は払わず、書かれている連絡先にも連絡しないこと。
警告音が鳴るウイルス感染の偽画面
ピーピーという警告音と一緒に「ウイルスに感染しました」「このパソコンはブロックされました」と大きく表示され、サポートの電話番号が出てくる。
これが、いわゆる「サポート詐欺」の入り口です。
1か月前くらいに初めてサポート詐欺サイト踏んだ
『ウイルスに感染しました。サポートセンターに電話してください』的な
ウマ娘の某攻略サイトからのリンク先で、広告消そうとしたらクソデカ警告音とともに画面に出てきたからビビった…
対処法知ってたから問題なかったけど、怖いねぇ— もるもるびぃ (@QAdEb7c9b4pvqDL) 2026年9月17日
ネットのトラブル相談でもこの偽の警告はいちばん多く、IPAの窓口には2026年4月から6月の3か月だけで1,428件と、相談全体の3分の1を超える数が寄せられていました。
画面の中身は全部うそ
ただ、この画面が出ただけでは、パソコンはウイルスに感染していません。
画面が全体に広がってマウスで閉じられないのも、音が止まらないのも、慌てさせて電話をかけさせるための演出にすぎないんです。
電話の先で入れられる遠隔操作ソフト
表示された番号にかけると、受話器の向こうからマイクロソフトのサポートを名乗る相手が出て、キーボードの操作を細かく指示してきます。
言われるままにマウスやキーボードを動かして進めると、遠隔操作ソフト(離れた場所からパソコンを動かせるソフト)がパソコンに入り、相手がこちらの画面を自由に動かせる状態に。
そのうえで「サポート料金」として電子マネーを買わせ、支払わせるのが典型的な流れです。
2024年に国民生活センターが公表した相談事例には、修理代は100円だと言われてネットバンキングを開いたところ、遠隔操作で送金額を100万円に書き換えられた70代の男性の例まであります。
かけた先が海外の番号だったと、あとになって気づく人も。
実は、10日、Microsoftサポート詐欺に遭いました😥
PCのことは無知で、国際電話と知らずに電話をして、信じて、色々、指示されるままに動いて、遠隔操作され、金銭を要求されて、詐欺だと気付き、被害はPCの修理代と国際電話代だけで済みましたが立ち直れていません🥲
皆様もお気をつけ下さい🤲— フレデリック 🌙🚀⭐️🔥🇮🇳🌸🇭🇺 (@masatotoy) 2026年9月12日
被害の額で見ると、警察庁のまとめでは2025年の1年間にこの手口でだまし取られたお金は14.9億円。
1件あたりにすると140万円を超えていて、電話口で一度つながってしまうと取られる額が大きいのがこの詐欺の怖さです。
Win+Rを押させる偽のロボット認証

最近増えているのが、よく見かける「私はロボットではありません」の確認画面をまねた罠。
チェックを入れると「認証を完了するには次の操作をしてください」と出て、Windowsキー+R、Ctrl+V、Enterの順に押すよう指示されます。
Windowsキー+Rで開くのは「ファイル名を指定して実行」という、パソコンに直接命令を打ち込むための小さな窓。
そこへ貼り付けられるのは、サイトが裏で勝手にコピーしておいた不正な命令で、Enterを押した瞬間に、自分の手でその命令を実行したことになってしまいます。
これ本当に危ないです。
「私はロボットではありません」みたいな画面の後に、
Windowsキー+R、貼り付け、Enterを押して…みたいな指示が出たら絶対ダメ!!認証のフリをして、PCに悪い命令を実行させる罠です。
DiscordやXなどの乗っ取りの原因になる可能性があります。みんな気をつけて! https://t.co/uULEVzmnLb— ぷりてぃぴんきー🌸個人勢Vtuber|ぷりぴんBGM (@PrettyPinkyFF14) 2026年6月28日
でも、本物のロボット認証は「私はロボットではありません」にチェックを入れるか画像を選ぶだけで、キーボードで何かを打ち込ませることはありません。
盗まれるのはブラウザの中身
この操作で入り込むのは、多くの場合、パソコンの中の情報を盗み出すタイプのウイルスです。
狙われるのは、ブラウザに保存しているIDとパスワード、それに「次からはログインしなくていい」状態を覚えておくための記録(Cookie)。
しかも、この記録ごと持ち出されると、相手はパスワードも、スマホに届く確認コードなどの2段階認証も飛び越えて、ログインした状態のままアカウントに入れてしまうことがあります。
ごめんね~多分ブラウザに保存してるパスワード全部抜かれたからXも突然いかれるかもしれない🥲
— れもるど (@Plum_ssv) 2026年8月29日
パスワードをブラウザに覚えさせていると、たった1回キーを押しただけで、普段使っているSNSも買い物サイトもまとめて持っていかれかねません。
偽の警告画面が出たときの閉じ方
警告音が鳴っても、表示された番号にだけは電話をかけないこと。
それさえ守れば、あとは落ち着いて画面を閉じるだけで大丈夫。
▶対処方法
サポート詐欺の画面を終了する➊キーボードの[ESC] を長押しして、ブラウザーの [×] をクリックし、画面を閉じる。
➋キーボードの 「Ctrl」「Alt」「Del」の 3 つのキーを同時に押して「タスクマネージャー」を起動し、ブラウザーソフトを選択し、「タスクを終了」する。 pic.twitter.com/PAn3GhTqK9
— ぎん☘️ (@gin_sneaker) 2026年9月7日
Escキーを長押ししても画面が消えないときは、マウスで画面を一度クリックしてからもう一度長押しすると、×印が出てくることがあります。
電話してしまったらネットを切る
もし電話をかけて、言われるままにソフトを入れてしまったときは、次の順で動いてください。
- Wi-FiをオフにするかLANケーブルを抜いて、インターネットから切り離す
- 入れられた遠隔操作ソフトを削除する
- パソコンではなくスマホなど別の端末から、ブラウザに保存していたパスワードを順に変える
- 電子マネーを買った・カードの番号を伝えたときは、すぐにカード会社や最寄りの警察署へ駆け込む
ひとつずつ片づけていくと、本人だけでなく家族まで巻き込んで、思った以上に時間を取られることも。
リビングに降りたら父に捕まって、サポート詐欺の対処と父が漏らしちゃったフリメのログイン履歴確認やらバックドア確認やらパスワード変更やら関連サービスの不正利用チェック(フリメ関連は一応持ってるの全部)やら、事に対してヒステリックになってる母親宥めるやらして2時間以上が経過して疲れた
— 灯和 (@hina_0k) 2026年9月6日
どう動けばいいか分からないときは、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口(03-5978-7509・平日10時〜12時と13時30分〜17時)でも相談できます。
会社のパソコンで見る危険

ここまでは、自宅のパソコンで見ていた場合の話です。
会社のパソコンとなると、困るのが自分ひとりでは済まなくなります。
閲覧履歴は会社に残る
会社のパソコンは社内のネットワークを通してインターネットにつながっているので、手元の画面でどのサイトをいつ開いたかは、会社の側で確かめられることが多いんです。
しかも、これならバレないだろうと、履歴を残さないブラウザのシークレットモードで開いても、社内のネットワークに残る記録までは消えません。
2026年6月には、熊本県の50代の職員が、勤務時間中に職場のパソコンでアダルトサイトなどを1年半にわたって延べ約93時間見ていたとして、停職4か月の懲戒処分を受けたことが報じられました。
この職員は2018年にも同じことで減給処分を受けていて、今回が2度目。
詐欺の被害が会社ごと広がる
もっと怖いのは、会社のパソコンで偽の警告に引っかかってしまったとき。
遠隔操作ソフトを入れられると、相手はそのパソコンから開ける顧客の名簿や取引先の情報まで、画面越しにのぞける状態になってしまいます。
業務用のパソコンがサポート詐欺で遠隔操作された例は、自治体や学校、企業で何件も報告されていて、セキュリティ会社のトレンドマイクロがまとめた例では、少し前の2023年12月に、ある企業で1,690万円あまりが口座から勝手に引き出されていました。
会社のパソコンに限らず、仕事の場で使った私物のパソコンでも話は同じです。
2026年8月には、職場で私物のパソコンを使っていた青森県の60代の男性が、「トロイの木馬に感染しました」という警告から電話をかけ、マイクロソフトを名乗る男にグーグルプレイカードを何度も買わされて、合わせて16万円をだまし取られたと報じられました。
2026年9月には、埼玉県越谷市の市立学校の教員が、私物のパソコンで遠隔操作ツールを実行してしまい、つないでいたUSBメモリーに入っていた児童生徒の氏名や住所などが漏れた恐れがあると報じられたばかり。
親父が会社のパソコンでサポート詐欺に引っかかって、始末書を書かれたと聞いて鬱。
会社の情シスの人に土下座したい。
— atamanbou (@atamanbou) 2026年9月8日
電話をかけてしまった時点で、自分のお金だけでなく会社の信用まで巻き込んだ、とんでもない話になります。
怒られたくないからと、ひとりで片づけようとするより、すぐに社内のシステムの担当者へ知らせたほうが、結果的に傷は浅くすむはずです。
Macやスマホでも残る危険
Windowsより安全そうなMacやスマホに替えれば平気と思いたいところですが、偽の警告画面とワンクリック請求は、スマホやタブレットにも同じように出てきます。
Windowsキーを使う偽のロボット認証も、Mac向けには、命令を打ち込むためのターミナルという画面へ貼り付けさせる形が出てきました。
つまり、Windowsから替えても、罠は形を変えてついてくる。
一度「通知を許可」してしまったサイトからは、パソコンの画面の右下へピョコッと偽の警告が届き、それをクリックして全画面の警告に飛ばされるパターンもあります。
msnだけじゃないが、検索サイトのトップページに広告枠が埋め込まれているページは、そのページを開いただけで次回PC起動直後に偽警告ページを表示させられる。広告をクリックしていない、エロサイトも見てない、セキュリティソフトも入ってるのに。なのでブラウザの広告ブロック拡張機能推奨してる
— 小鳥遊ひかり (@yuruota1596) 2026年9月8日
クリックした覚えがないのに警告が出てくるときは、見覚えのないサイトの通知が残っていないかを、ブラウザの設定で確かめてみてください。
そこで「許可」を外しておけば、それ以上は画面に届かなくなるはず。
画面の向こうの人たちが待っているのは、警告音に焦って、言われるままに指を動かしてしまう一瞬です。
警告音をあれだけ大きく鳴らすのも、見ていたものが見ていたものだけに、誰にも聞けないまま電話へ手を伸ばしてしまう人がいるからなのかもしれません。
自宅のパソコンで電話さえかけていなければ、見ていたことを誰かに打ち明けなくても、画面を閉じるだけで終わらせられる話なんですよね。











