「モブノデレラってわかりますか?」

2026年10月19日の深夜に放送された『≠ME 名無しのシンデレラ』の第3話で、審査をしていたメンバーの櫻井ももが、マイクを握ったまま候補生にこう聞く場面がありました。

≠ME(ノットイコールミー、通称ノイミー)の新メンバーを選ぶオーディションで、グループの代表曲のサビが歌えない候補生が続けて映ったんです。

この場面を見ていたファンからは、「レベル低すぎ」「論外」という声が上がりました。

ほんの1か月前、同じオーディションの候補生が公式サイトで発表されたときには、「レベル高すぎ」という声が上がっていたのに、です。

≠MEに入りたくて受けに来たはずなのに、どうしてその≠MEの曲を知らないのか、ファンならまずそこが引っかかりますよね。

≠MEと『名無しのシンデレラ』

≠MEのメンバーの集合写真
引用元:≠ME公式サイト(https://not-equal-me.jp/)
  • 名前=≠ME(ノットイコールミー)
  • プロデューサー=指原莉乃
  • 所属=代々木アニメーション学院(タレントの育成もしている専門学校)
  • お披露目=2019年2月24日
  • メンバー=11人(リーダーは蟹沢萌子)
  • 姉妹グループ==LOVE(イコールラブ)

2026年6月にメンバーの菅波美玲が卒業し、その2週間後に、グループで初めての新メンバーオーディションが発表されています。

このオーディションには、フジテレビのドキュメンタリー番組『≠ME 名無しのシンデレラ』が密着しています。

関東ローカルで、月曜の深夜に放送されています。

全国3か所で開かれた2次審査を通ったのは、およそ160人。

話題になった第3話は、その160人をふるいにかけた3次審査を追った回です。

第3話で歌えなかった代表曲

3次審査は4日間に分けて行われ、≠MEのメンバーも審査員の席に座りました。

その歌の審査で、ピアノの前に座った男性スタッフが、候補生にこう声をかけています。

「『とくべチュ、して』か『まほろばアスタリスク』のサビだけでもいいので」

 

「とくべチュ、して」は姉妹グループ=LOVEの曲で、「まほろばアスタリスク」は≠MEがメジャーデビューした年に出した2枚目のシングルです。

≠MEの曲でなくてもいい、しかもサビだけでいいと、スタッフはかなり助け舟を出しています。

それでも、候補生は「メロディはわかるけど歌詞が…」と、そこまでしか返せませんでした。

 

別の候補生には、櫻井ももが「モブノデレラってわかりますか?」と曲名を挙げて聞いています。

「モブノデレラ」は2025年に出た10枚目のシングルで、2026年6月に出た「愛くださいませ」と並んで、いまの≠MEを代表する曲です。

ここでも、候補生から返ってきたのは「歌詞が…」の一言だけ。

「論外」とまで言われる理由

メロディは知っているのに、歌詞が出てこない。

どこかで耳にしたことはあっても、自分が歌う曲として覚えてきてはいなかったということです。

入りたいグループの代表曲を、サビを口ずさめるところまで覚えてこなかった。

ファンが「論外」と言ったのは、そこなんですよね。

この場面を見て、別のオーディション番組の同じような場面を思い出した人もいます。

Netflixで配信されたtimelesz(旧Sexy Zone)の新メンバーオーディション『timelesz project -AUDITION-』でも、歌詞を飛ばした候補生に、メンバーの菊池風磨が「歌詞忘れてるようじゃ無理か」と声をかけた場面がありました。

この言い回しは〈菊池風磨構文〉としてネットで広まったほどで、アイドルのオーディションで歌詞が出てこないことの重さは、もう多くの人が知っています。

しかも今回は、7年以上続いてきたグループが初めて新しい人を迎えるオーディション。

そこへ≠MEの曲を知らない子が映ったから、「≠MEになりたいんじゃなくて、知名度のあるアイドルになりたいだけでは」という声まで出たんです。

 

「レベル低すぎ。やめちまえ。」とまで書いた人もいましたが、矛先は候補生だけではありません。

オーディションごと白紙にして、いまの11人のままでいてほしい。

番組を見ながら、そう願っているファンもいるんです。

新しい人を迎える理由がよく分からないまま始まったオーディションで、≠MEの曲を知らない子が映った。その苛立ちが、「やめちまえ」の一言にまとめて乗っているんです。

メンバーが口にしたショック

審査をしていたメンバーも、候補生が≠MEの曲を知らないことに心を痛めていました。

いまの≠MEのメンバーも、もとは指原莉乃が2018年11月に募集を発表した〈=LOVEの姉妹グループのオーディション〉から選ばれた人たちです。

かつて審査を受けた側が、今回は初めて審査をする側の席に座っていました。

番組を見た人のまとめによると、メンバーの一人が、≠MEのことを知ろうとする気持ちを行動で示してくれた人が少なくて、少し傷ついてしまった、と話していたそうです。

ほかのメンバーからは、こんな言葉も出ています。

  • 蟹沢萌子「開始1秒で私たちを惚れさせてほしい」
  • 谷崎早耶「新グループのオーディションじゃないから、≠MEに入ってる自分をイメージしてパフォーマンスを届けてほしい」
  • 尾木波菜「本音を言えば頑張ってるから残してあげたいと言いたい」

尾木波菜はそのあとに、グループが大きなステージへ進むためにこのオーディションを決めたのだから、ファンの幸せを考えて辛口に判断したい、と続けたそうです。

反対に、≠MEのファンの一人として、自分が受けていいのか悩んだと打ち明けた候補生もいて、メンバーはその子に「純粋に嬉しかった」と応えていたそうです。

応募条件に「好き」はなかった

では、なぜ≠MEの曲を知らない人が3次審査まで残っていたのでしょうか。

2026年6月のオーディション発表で出された応募資格は、こんな内容でした。

  • 満12歳から満24歳の女性
  • 国籍や芸能経験は問わない
  • 日本語で日常のやり取りができる
  • 芸能事務所などに所属していない

伝えられた応募資格には、「≠MEが好きな人」という条件は入っていません。

 

指原莉乃は発表のとき、オーディションの狙いを「一日でも長くアイドルを続けられる環境をつくりたい」と話していました。

同じ発表の中で、「≠MEは≠MEのまま終わっていくのだと思っていた」とも口にしています。

メンバーの冨田菜々風も、オーディションについて「どうしても東京ドームに立ちたくて、そのチャンスになるなら逃したくない」と話しています。

11人のまま終わっていくと思われていたグループが、東京ドームのために、新しい人を入れる道を選んだんです。

応募用紙では見えない「≠MEをどれだけ知っているか」を、たった一節のサビがあぶり出したのが、3次審査の歌の審査です。

「トラップが仕掛けてあった」と受け取ったファンがいたのは、このためです。

元センターが番号で呼ばれる側に

「事務所に所属していない」という条件には、もう1つの意味があります。

グループを卒業して事務所も離れた元アイドルなら、応募できるということです。

3次審査を終えて9月14日に公式サイトで公開された候補生32人の中には、AKB48の姉妹グループであるSTU48でセンターを務めた石田千穂や、SKE48でセンターを務めた林美澪の名前がありました。

石田千穂がSTU48の卒業コンサートで主役を務めたのは、2026年5月31日。

オーディションの発表はその26日後で、そこから3か月半後には、番号のゼッケンをつけた候補生の1人として、公式サイトに顔写真が載っていました。

応募できるのは満24歳まで。2002年3月生まれの石田千穂は、その年齢制限ぎりぎりで飛び込んだことになります。

その石田千穂は第3話で、前のグループにいたころに≠MEのライブを見て「こんなグループになりたい」と思った、という意味のことを語っていたそうです。

≠MEの代表曲のサビが出てこない候補生と、センターの肩書きを置いて≠MEに賭けた元アイドルが、同じゼッケン姿で同じ審査を受けている。

「名無し」の看板の下で、名前を持っていた人ほど多くを手放して並んでいるんです。

4次審査に指原莉乃が加わる

第3話の最後には、3次審査の合格者が発表されました。

そして番組の終わりには、2026年12月24日にTOYOTA ARENA TOKYOで「≠ME GRAND CONCERT」を開くことも告知されました。

公式の告知に新メンバーの文字はありませんが、番組の最後に流れたこともあり、新メンバーのお披露目の場と受け止めているファンもいます。

ただ、160人ほどいた候補生は、9月14日に公式サイトで公開された時点で、もう32人になっていました。

ファンが歌詞の場面に「論外」と声を上げた10月19日、3次審査を通った顔ぶれは1か月以上前から公式サイトに並んでいたんです。

 

結果がまだ誰にも見えていないのは、10月26日深夜に放送される第4話からです。

予告を見たファンのあいだでは、4次審査でついに指原莉乃が審査の席に座ると話題になっています。

32人のうち、≠MEに入れるのは何人なのか、人数はまだ発表されていません。

ファンの読みでは、16人を超えるとワイヤレスマイクの数や歌割り、立ち位置が回らなくなるので、加わるのは3人前後、全体で14人くらいではないかという声もあります。

そうだとすれば、32人のうち30人近くが、顔と名前を地上波に残したまま落ちることになります。

落ちた候補生に次の道が用意されるのかどうかも、まだ何も示されていません。

 

予告では、蟹沢萌子が「≠MEじゃなきゃいやだ、心から人生をかけてこのグループに入りたいという眼差しが決定打になる」と話していたそうです。

ファンが「論外」と切り捨てた基準を、指原莉乃も同じように当てるのかどうか。

4次審査は、それが初めて見える回になりそうですね。