映画館のロビーに長い列ができていて、開演の時間になっても、なかなか前へ進まない。

ようやく先頭まで来るとカバンを開けるように言われ、持ってきたお茶まで回収されて、検査済みの印のシールを渡される。

楽しみにしていた舞台挨拶の日にそんな目に遭ったら、まず「今日、何かあったの?」と思ってしまいますよね。

2026年10月18日、神奈川県藤沢市の109シネマズ湘南で開かれた『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』(青ブタ)の公開記念舞台挨拶で起きたことです。

会場の中にも外にも警備員が立ち、見に来た人からは「舞台挨拶でこんなガッチガチなの初めて」という声まで上がっています。

主催からの説明はまだありませんが、ネットではすぐに、5日前の10月13日に結婚と第1子の出産を発表した声優・石見舞菜香(『【推しの子】』の黒川あかね役など)の名前が挙がりました。

発表のあと、本人の身に危険が及ぶような書き込みがあったという噂まで出回っていたからです。


どのライブよりも厳しかった荷物検査

青ブタは藤沢や七里ヶ浜のあたりが舞台のシリーズで、109シネマズ湘南は、その舞台のすぐ近くの映画館。

完結編の公開から2日後のこの日、梓川咲太役の石川界人、桜島麻衣役の瀬戸麻沙美、主人公の大学の友だち・美東美織役の石見舞菜香、牧之原翔子役の水瀬いのりの4人が、午前と午後の2回、ここで舞台挨拶に立ちました。

その入口の手荷物検査を、見に行った人は「荷物検査どのライブとかよりもガチです」と書いています。

 

新品のペットボトルも回収

現地の投稿によると、ペットボトルや瓶、缶は持ち込めず、封を切っていない新品でも回収されたそうです。

この投稿にもあるように、会場では警察官の姿を見たという人もいて、警備員の数に驚いた声もいくつも上がりました。

検査を済ませた人には目印のシールが渡され、それを貼っていないと中へ入れなかったとのこと。

 

20分遅れの開演と短く感じたトーク

ひとりずつカバンを開けていくのですから、入場の列はなかなか進みません。

当日の投稿では、午前の回は、上映の時間を過ぎても列に残っている人が大勢いて、20分ほど遅れて始まったそうです。

終わったあとには、「トーク短すぎません?」と書く人も出ました。

予定より本当に短くなったのかは分かりませんが、少なくとも、そう感じた人がいたということです。

同じ日の夕方には東京の新宿バルト9でも同じ4人の舞台挨拶が予定されていて、その会場でも開場前から入口で手荷物検査をしていた、という投稿があります。


事前の案内に書かれていたこと

検査があるかもしれないことは、前もって知らされていました。

この舞台挨拶の公式サイトの案内には、「ご当選者様に対し当日荷物検査をおこなう可能性がございます」という一文が入っています。

10月15日のお昼に、チケットぴあから届いた当日の注意事項のメールにも、同じ趣旨の一行があったそうです。

もっとも、どちらも書かれていたのは「可能性」まで。

 

飲み物の話はどこにも無かった

公式サイトの案内にも、このメールを紹介した投稿にも、飲み物を持ち込めないという話は出てきません。

前もって知らされていれば、新品のお茶を手放さずにすんだ人もいたはずです。

当日、「予告無し手荷物検査でペットボトル没収」と書いた人がいたのも、飲み物のことまでは知らされていなかったからでしょう。

 

完成披露上映会との違い

舞台挨拶の2週間前の10月4日、同じ4人は新宿バルト9で開かれた完成披露上映会にも登壇しています。

ネット上に残っている9月末の時点の公式サイトの記録を見ると、この完成披露上映会の注意事項には、プレゼントや差し入れを受け取らないという決まりはあっても、荷物検査の文字はありません。

舞台挨拶の案内のあの一文が、最初からあったのか、あとで加わったのかまでは、外からは分からないままです。

ただ、2つのイベントのあいだに10月13日の発表があったのは確かで、ネットで石見舞菜香の名前が挙がった理由の1つは、この並びにあります。

 

その日、石見舞菜香はラジオ番組『石見舞菜香のらじおてくてく』の冒頭で結婚と第1子の出産を自分の声で伝え、続けてXでも報告しました。

事務所のラクーンドッグのサイトに載った直筆の「御報告」には、「無事に出産を終え、母子ともに落ち着いたところでの御報告となりました」とつづられています。

ネットに祝福の声が多く並んだのと同じころ、匿名の掲示板には、仕事を続けながら妊娠を明かしていなかったことを責める書き込みも見られました。

もちろん、検査が本人のためだったとは、公式はひとことも言っていません。


石見舞菜香への『予告』の噂

検査がここまで厳しいと、何か具体的な脅しがあったのではないかと考えてしまいますよね。

舞台挨拶の当日の昼すぎには、ネットの掲示板に、石見舞菜香への予告があり、そのせいで舞台挨拶が厳重警備になってトークも短くなった、という書き込みが立ち、まとめサイトにも転載されました。

予告の中身は、命を脅かすようなものだったと書かれています。

 

確かめられたことと、まだ分からないこと

予告そのものとされる書き込みは、確かめられる形では表に出ていません。

本当にあったのか、誰が書いたのかについても、公表された情報はないのが現状です。

青ブタの公式アカウントは、舞台挨拶のあと「お越しの皆様、ありがとうございました」と4人の写真を載せましたが、検査には触れていません。

石見舞菜香の事務所からも18日夕方の時点で発表はなく、会場で警察官を見たという投稿はあっても、事件として警察が動いたという報道も、見当たらないままです。

ここまでが、石見舞菜香への『予告』の噂について、いま確かめられることのすべて。

そんな中で、検査を受けた側からはこんな声が上がっています。

ここで出てくる「ガチ恋」は、声優に本気の恋愛感情を向けるファンを指す言葉。


予定どおり舞台に立った石見舞菜香

それでも舞台挨拶そのものは、取りやめにも欠席にもならず、告知どおりの4人で開かれました。

見に行った人の感想には、キャストそれぞれへの言葉と並んで、こんな一行があります。

検査の話ばかりが広がる中で、「石見さん元気そうでよかった」と書いた人もいたんです。

 

「欠席させたら良かった」という声

トークが短く感じられたことへの不満から、矛先を主催や石見舞菜香へ向ける声も出ました。

投稿の「角川」は原作を出しているKADOKAWAのことで、舞台挨拶を開いた側への不満として書かれています。

警護の人がついていたかどうかは、確かめようがありません。

お茶を取られて、トークも短く感じたのなら、文句のひとつも言いたくなるのは、列に並んだ人ならみんな同じだと思います。

 

けれども、新宿の舞台挨拶を全国の映画館へ中継した回には、こんな投稿もありました。

欠席になっていたら、こういう人たちの楽しみが、ひとつ減っていたことになります。

それに、もし出回っている書き込みが理由で本人が欠席していたら、ネットの書き込みひとつで、誰が舞台に立つかが決まってしまうことにもなりかねません。


25日の大阪・名古屋に行く人へ

公開記念舞台挨拶は、10月25日にも予定されています。

会場は大阪のT・ジョイ梅田と名古屋のミッドランドスクエアシネマで、登壇予定者は石川界人、瀬戸麻沙美、石見舞菜香、そして赤城郁実役の山根綺です。

25日の回で湘南と同じような検査があるかどうかは、まだ発表されていません。

湘南と新宿の回の公式の案内には、荷物検査の可能性のほかに、来場時に本人確認をする場合があることも書かれていました。

この日の様子と案内の文面から、行く人は次のことを頭に入れておくと、当日あわてずにすみます。

  • ペットボトル・瓶・缶は持っていかない(湘南では新品でも回収され、戻らなかったという声がある)
  • 入場は時間に余裕を持つ(湘南では上映の時間を過ぎても列が残っていた)
  • 身分証を持っていく(本人確認に備える)

長い列に並んで、お茶を手放して、短く感じたトークにため息をついた人たちは、誰も悪いことをしていません。

予定どおり舞台に立った石見舞菜香も、同じです。

それなのに、新品のお茶と開演までの長い待ち時間を差し出したのが見に来たファンだったというのが、いちばん納得のいかないところですね。