フリマアプリで買ったものが届いたあと、箱や緩衝材ごと、そのまま棚にしまっていないでしょうか。

私も、届いた箱がちょうどいい入れ物になるので、しばらく置いたままにしていました。

 

その荷物に、小さな発信機がまぎれていたら。

一度そう思うと、棚のほうが気になって仕方がありません。

集めたものを置いている人なら、なおさらですよね。

気にしすぎだよと言われても、自分で確かめる方法を知らないうちは、引っかかったままです。

それなら、確かめる順番を決めてしまえばいい。

追跡タグがどれくらいの大きさで、スマホが何を教えてくれて、届いた箱のどこを見ればいいのかを、順番に見ていきましょう。


追跡タグは五百円玉二枚ほどの大きさしかない

机の上に置かれた丸くて薄い紛失防止タグと、大きさを比べるために並べた硬貨二枚

まず、大きさの話から。

いちばん出回っている紛失防止タグのアップル「AirTag」で、直径がおよそ3.2センチ、厚みが8ミリ、重さは11グラムです。

五百円玉を二枚重ねたくらい、と思ってもらえれば近いと思います。

 

これがカードの束の下や、丸めた紙の緩衝材の中に入っていたら、持っただけでは分かりません。

薄いカード型のタグや、シールのように貼れる小型のものも売られています。

入れようと思えば、封筒サイズの荷物にも入る大きさなのです。

電池が切れればただの円盤になる

ただ、そのぶん中身はただの機械です。

AirTagならボタン電池が一つ入っていて、だいたい一年で切れます。

電池が切れれば、そこでただのプラスチックの円盤になるわけです。

電池が入っているという点は、送る側にも関係してきます。

宅配便で送るときは品名欄に電池のことを書く決まりがあり、航空便には載せられません。

つまり、こっそり忍ばせようとしても、規則の上ではちゃんと引っかかる品物なんです。


コレクションを狙った空き巣は実際に起きている

怖いのは発信機そのものより、その先に起きることだと思います。

集めたものが狙われる事件は、実際に起きています。

集合住宅の一室から、カード786点と現金が持ち出されました。

店のショーケースが割られた事件もあって、この数年ずっと続いているのです。

 

だから「そんなもの狙われないよ」とは、私にはとても言えません。

置き場所を知られたくないと思うのは、当たり前ですよね。

 

ひとつだけ添えておくと、これまでに表へ出た事件で場所が割れたのは、発信機とは別のところが多いです。

開封動画に映り込んだ窓の景色、自慢の一枚に写った本棚、封筒の宛名、買取店でのやりとり。

近い人にだけ話したつもりの一言が、いちばん多い入口でした。

 

荷物を確かめるのは大事です。

そのうえで、写真と口のほうも同じくらい効きます。


位置情報から住まいを知られた事件も起きている

荷物ではありませんが、贈り物にタグを入れて相手の居場所を追った事件が、日本で起きています。

2025年の大みそか、茨城県水戸市で女性が亡くなりました。

引っ越して住所を隠していたのに、贈られたぬいぐるみに紛失防止タグを仕込まれ、新しい住まいを突き止められたと報じられています。

そこまでして守っていた住所が、贈り物ひとつで抜かれてしまいました。

亡くなった方のことなので、これ以上は書きません。

ただ、物に位置情報を仕込んで人を追うという手口が、想像の話ではないことは、この一件がはっきり示しました。

勝手に付けるだけでストーカー規制法に触れる

ここは知っておくと少し気が楽になるところです。

2021年に改正されたストーカー規制法で、相手の承諾なくGPS機器を取り付けたり、位置情報を取得したりする行為そのものが規制の対象になりました。

それまでは「見張り」に当たるかどうかで争いになっていた部分なんです。

他人の持ち物や車に無断で付ければ、盗んだ物を使ったかどうかとは別に、この法律のほうで扱われます。

つまり、もし本当に出てきたときには、こちらが泣き寝入りする話ではないわけです。


知らないタグはスマホのほうが先に気づく

薄暗い部屋のテーブルで、通知が届いて画面が明るく光っているスマートフォン

そして、いちばんお伝えしたいのがここです。

持ち主から離れたタグが自分と一緒に移動していると、スマホのほうから通知が出ます。

 

iPhoneなら「あなたと一緒に移動しているAirTagが見つかりました」といった知らせが出て、Androidにも同じ役目の通知が入ります。

メーカーが違っても互いに検知できるよう、数年前から共通のしくみになりました。

実際に受け取った人の投稿が、こちらです。

この方は通知の画面から音を鳴らして、出てきたのが息子さんのタグだった、という結末でした。

ひやりとしても、その場ですぐ確かめられます。

 

知らないタグを鳴らして探せるのは、持ち主でなくても使える機能なんです。

荷物を受け取ってから半日ほど普通に生活していれば、入っていた場合はスマホのほうが先に教えてくれます。

 

通知が出るまでの時間は、そのときの動き方で変わります。

すぐ出ることもあれば、半日ほどかかることもある。

家に置いたままだとタグも動いていないので、一度出かけて帰ってきたころに出る、という順番になりやすいです。

 

もちろん、通知の出ない安い発信機もあります。

それでも、手に入りやすくて数が多いのは通知の出るタイプなので、最初の網としては十分に働いてくれるはずです。


届いた荷物で見るのは3か所でいい

机の上に広げた丸めた紙と気泡緩衝材とはがした厚紙、そばに空の段ボール箱

そのうえで、開けるときに目を通す場所を決めておくと早いです。

全部をひっくり返す必要はなくて、次の3か所で足ります。

 

ひとつ目が、緩衝材の中。

丸めた紙やプチプチは、外から触っても中身が分からない場所です。

 

ふたつ目が、箱の底。

底が二重になっていたり、厚紙が一枚多く敷かれていたりしたら、そこだけはがしてみてください。

三つ目が、商品そのものの隙間です。

カードならスリーブの裏やローダーの内側、箱物なら中の仕切りの下になります。

薄い封筒で届いたものも同じで、厚紙に挟まれていると手触りでは気づきにくいです。

 

そして、見終わった梱包材はその日のうちに処分する。

箱ごと保管さえしなければ、この心配のほとんどは消えてしまいます。

 

スマホから手動で探すこともできます。

Androidは設定の安全機能から、自分のタイミングでスキャンをかけられます。

高いものが届いた日だけでも一度かけておけば、それだけで気が済みます。

出てきたら自分の判断で捨てない

もし本当に出てきたら、まず写真を撮ってください。

どの荷物の、どこに入っていたか。

そのままの状態を残しておくのが先です。

 

そのうえで、取引の画面と一緒に警察へ相談します。

すぐ壊したり捨てたりすると、誰が入れたのかをたどる手がかりが消えてしまいます。

 

持ち歩きたくないときは、電池を抜くか、お菓子の缶などに入れておけば電波が外へ出なくなります。


相手はもう住所を知っているのではないか

ここまで読んで、こう思った方がいるかもしれません。

送ってもらった以上、相手は住所を知っているのではないか、と。

 

ここは配送方法で分かれます。

フリマアプリの匿名配送を使っていれば、お互いの名前も住所も相手には表示されません。

伝票にも記号だけが載るしくみで、出品者の手元に住所は残らないのです。

 

反対に、出品者が普通の宅配便を選んでいれば、伝票にこちらの住所と名前が書かれています。

出品者側が身を守るために、あえてそちらを選ぶこともあります。

売る側にも守りたいものがあるので、どちらが悪いという話ではありません。

ただ、買う側として気にするなら、発信機より先に配送方法を見るほうが早いということです。

 

高いものを買うときは、匿名配送になっている出品を選ぶ。

届いた伝票は、はがして捨てる。

この二つだけでも、知られる範囲はずいぶん狭くなります。

 

集めたものを眺めている時間は、いちばん機嫌よくいられる時間ですよね。

箱を開けたら、緩衝材を捨てるところまでを開封のひと続きにしてしまう。

そこまでを習慣にできれば、心配ごとをひとつ棚から下ろせます。