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レアアースは何に使われてる?中国輸出停止で日本に起きる影響とは

レアアースは何に使われてる?中国輸出停止で日本に起きる影響とは

 

毎日使っているスマートフォン、これからもっと増える電気自動車。

これらを作るために「レアアース」という特別な材料が必要なんですよね。

レアアースは、私たちの生活を支える最先端技術に欠かせない資源です。

しかし、もしこのレアアースが突然手に入らなくなったら、私たちの暮らしはどうなるのでしょうか。

実は、世界のレアアース生産の約6〜7割を中国が占めています。

もし中国が輸出を止めたら、日本経済は大きな打撃を受けることになります。

この記事では、レアアースが具体的に何に使われているのか、そして中国の輸出停止が日本にどんな影響を与えるのかを分かりやすく解説します。

さらに、日本近海で発見された希望の資源についてもご紹介します。

 

レアアースは何に使われてる?

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レアアースとは、現代の産業に欠かせない17種類の特別な元素のことです。

「レア(珍しい)」という名前がついていますが、実は地球上にはたくさん存在しています。

ただし、経済的に採掘できる場所が限られているため、「希少」とされているのです。

レアアースは「現代産業のビタミン」とも呼ばれ、少量加えるだけで製品の性能を大きく向上させる力を持っています。

 

スマートフォンに使われるレアアース

 

私たちが毎日使うスマートフォンには、複数のレアアースが使われています。

画面を美しく表示するために、「ユーロピウム」というレアアースが使われています。

このレアアースのおかげで、鮮やかな赤色を表現できるのです。

また、画面のガラスを磨く研磨剤には「セリウム」が使われています。

スマホの画面がピカピカに磨かれているのは、このレアアースのおかげなのです。

他にも、振動モーターやスピーカーなど、スマホの様々な部品にレアアースが使われています。

レアアース 何に使われてる

電気自動車に必要不可欠なレアアース

 

環境にやさしい電気自動車にも、レアアースは欠かせません。

電気自動車の心臓部であるモーターには、強力な磁石が必要です。

この磁石には「ネオジム」というレアアースが使われています。

 

さらに、「ディスプロシウム」というレアアースを混ぜることで、モーターが高温になっても磁力が弱まらない性質を持たせることができます。

電気自動車1台あたり、約2〜3kgものネオジムが使われています。

トヨタのプリウスなら、約1kgのネオジムが必要です。

世界中で電気自動車の生産が増えているため、今後ますますレアアースの需要は高まっていくでしょう。

 

風力発電にもレアアースが必要

レアアース 何に使われてる 日本への影響

地球温暖化対策として注目される風力発電にも、レアアースが使われています。

風力タービンの発電機には、電気自動車と同じように強力なネオジム磁石が使われているのです。

再生可能エネルギーの導入が世界中で進むほど、レアアースの需要も増えていきます。

 

医療の現場でも活躍するレアアース

 

病気の早期発見に欠かせないMRI検査にも、レアアースが使われています。

MRI検査で使う造影剤には「ガドリニウム」というレアアースが使われており、体内の病変をより詳しく見ることができます。

 

防衛装備にも使われるレアアース

 

私たちの安全を守る防衛装備にも、レアアースは重要な役割を果たしています。

ミサイル誘導システムには「サマリウム」というレアアースが使われており、高温環境でも正確に作動する磁石を作ることができます。

 

主なレアアースの用途まとめ
  • ユーロピウム:スマホ画面の赤色表示
  • セリウム:画面の研磨剤
  • ネオジム:電気自動車のモーター、風力発電
  • ディスプロシウム:高温対応の磁石
  • ガドリニウム:MRI造影剤
  • サマリウム:ミサイル誘導システム

 

このように、レアアースは私たちの生活のあらゆる場面で使われているのです。

 

中国の輸出停止で何が起きる?

 

レアアースの生産は、中国が世界シェアの約60〜70%を占めています。

さらに重要なのは、採掘したレアアースを製品に使える形に加工する技術です。

この加工技術の約90%を中国が支配しているのが現実です。

日本は、レアアースのほとんどを輸入に頼っています。

特に「重レアアース」と呼ばれる種類は、ほぼ100%を中国からの輸入に依存しているのです。

 

もし中国が輸出を停止したら?経済への影響

 

もし中国がレアアースの輸出を完全に停止したら、日本経済にどれほどの影響が出るのでしょうか。

野村総合研究所の試算によると、レアアースの供給が3ヶ月停止した場合、経済損失は約6,600億円にのぼります。

さらに、1年間供給が止まれば、損失は2.6兆円に膨れ上がり、日本のGDPを0.43%も押し下げる可能性があると試算されています。

これは日本経済全体を揺るがす深刻な事態です。

 

自動車産業が受ける打撃

 

日本の基幹産業である自動車産業は、特に大きな影響を受けます。

トヨタのプリウス1台には約1kgのネオジムが使われています。

レアアースの供給が止まれば、プリウスの生産がストップしてしまいます。

ハイブリッド車や電気自動車が作れなくなれば、年間約10兆円の輸出額に影響が出ると見られています。

自動車産業は日本の雇用を支える重要な産業です。

生産停止は、多くの人々の仕事にも影響を与えることになります。

 

電子機器産業への影響

 

スマートフォンやパソコンなどの電子機器の製造も、大きな影響を受けます。

レアアースがなければ、画面の製造も、精密な電子部品の製造もできません。

日本の電子機器メーカーは生産を縮小せざるを得なくなるでしょう。

世界的な供給不足により、スマートフォンやパソコンの価格が高騰する可能性もあります。

 

安全保障への懸念

 

レアアースの供給停止は、国の安全保障にも関わる重大な問題です。

ミサイルやレーダー部品の製造に必要なレアアースが手に入らなければ、防衛装備の生産や維持が困難になります。

国を守るための装備が作れなくなるということは、日本の安全保障が脅かされることを意味します。

 

医療への影響

 

医療分野でも深刻な影響が出る可能性があります。

MRI機器の新規導入や部品交換ができなくなれば、病気の早期発見が遅れることにつながります。

患者さんの命に関わる問題にもなりかねません。

  • 経済損失:3ヶ月で約6,600億円、1年で2.6兆円
  • GDP押し下げ効果:0.43%
  • 自動車産業:年間約10兆円の輸出に影響
  • 電子機器:生産停止、価格高騰
  • 安全保障:防衛装備の生産困難
  • 医療:MRI機器の供給停止

このように、レアアースの供給停止は、私たちの生活のあらゆる面に深刻な影響を与えるのです。

 

日本近海に眠る大量のレアアース

 

こうした状況の中、日本に希望をもたらすニュースがあります。

それは、小笠原諸島の南鳥島沖の海底に、大量のレアアースが眠っているという発見です。

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2013年、東京大学とJAMSTEC(海洋研究開発機構)が共同で調査を行った結果、南鳥島沖の海底泥には、世界の需要の数百年分に相当する約1,600万トンのレアアースが存在することが分かりました。

特に注目すべきは「重レアアース」の埋蔵量です。

ディスプロシウムは約730年分、ユーロピウムは約420年分もの量があると推定されています。

もしこれらのレアアースを採掘できれば、日本は中国からの輸入に頼らなくても済むようになるかもしれません。

 

実用化への課題:深海での採掘の難しさ

 

しかし、南鳥島沖のレアアースを実際に使えるようにするには、大きな課題があります。

最大の問題は、レアアースが水深5,000m以上の深海底に存在していることです。

これほど深い場所で採掘作業を行うには、特殊な技術が必要です。

現在の技術では、コストが非常に高くなってしまいます。

また、海底を掘り起こすことで、深海の生態系に悪影響を与える可能性もあります。

環境への影響を慎重に調査する必要があります。

 

商業化に向けた取り組み

 

JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は、2028年までの商業化を目指して、採掘技術の開発に約100億円を投資しています。

ただし、専門家の間では「実用化には10〜20年かかる」という慎重な見方もあります。

技術開発には時間がかかりますが、日本が資源を自給できるようになる可能性は、私たちに大きな希望を与えてくれます。

 

レアアースを巡る誤解と真実

 

レアアース問題について、よくある誤解があります。

それは「中国が生産を独占しているから、代替は不可能だ」というものです。

実際には、オーストラリアやアメリカにもレアアースの鉱床は存在します。

 

生産量に差があるのは、加工技術とコストの問題が理由なのです。

中国は加工技術の90%を支配しており、環境規制が比較的緩いため、低コストで供給できます。

しかし、その反面、環境汚染が深刻な問題となっています。

近年、中国はレアアースの輸出規制を地政学的な「武器」として使う傾向を強めています。

これが、各国がレアアースの安定供給に不安を感じている理由です。

 

日本のリサイクル技術が世界をリードする

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日本は、2010年に中国からのレアアース輸出が一時停止された危機を教訓に、独自の対策を進めてきました。

その一つが「都市鉱山」からのレアアース回収です。

使わなくなったスマートフォンや家電製品からレアアースを取り出すリサイクル技術で、日本は世界をリードしています。

現在、日本は年間数千トンのレアアースをリサイクルで回収しており、経済産業省は2030年までにリサイクル率50%を目指しています。

 

南鳥島沖の発見は偶然ではなかった

 

実は、南鳥島沖のレアアース発見は偶然ではありません。

これは1970年代から続く日本の海底資源調査の成果であり、将来の再生可能エネルギー需要の増加を見越した戦略的な研究の結果なのです。

この事実は、日本が資源自給のための「切り札」を長年準備してきたことを示しています。

資源に乏しいと言われる日本ですが、実は危機に備える力を持っているのです。

 

まとめ

 

レアアースは、スマートフォン、電気自動車、風力発電、医療機器、防衛装備など、現代社会のあらゆる分野に欠かせない重要な資源です。

しかし、世界のレアアース生産の約6〜7割を中国が占めており、日本はそのほとんどを輸入に頼っています。

もし中国がレアアースの輸出を停止すれば、日本経済は大きな打撃を受けることになります。

経済損失は1年間で2.6兆円にのぼり、自動車産業、電子機器産業、さらには国の安全保障や医療にまで深刻な影響が及ぶと予測されています。

 

一方で、南鳥島沖の海底には数百年分のレアアースが眠っていることが分かっており、これは日本にとって大きな希望です。

実用化には10〜20年かかると見られていますが、技術開発が進めば、日本は資源の自給を実現できるかもしれません。

また、日本はリサイクル技術でも世界をリードしており、使用済み電子機器からレアアースを回収する「都市鉱山」の取り組みも進んでいます。

レアアース問題は、私たち一人ひとりの生活に直結する重要な課題です。

中国への依存を減らし、安定供給を確保するために、日本は様々な取り組みを進めています。

南鳥島沖の資源開発とリサイクル技術の向上が、日本の未来を明るく照らしてくれることを期待しましょう。

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